日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年11月30日「何を言ってるか分からない」と言われるなら、短く話す訓練をしよう


★コマーシャルを見ていて気付いたこと


最近、テレビを見ていて気付いたことがあります。

普段はビデオで録画したものを見ることが大半ですが、その日はたまたま放送されている番組をリアルで見ていました。

当然、番組の間にコマーシャルが入ります。

何気なく見ていて「何だかこのコマーシャル長いなぁ」と思ったのです。

その後、同じコマーシャルが再び流れたので時間を計ってみると、1分でした。

通常のコマーシャルは15秒、長いもので30秒です。

私たちは15秒や30秒のコマーシャルを見慣れているので、それ以上に長いものに違和感を感じてしまうのでしょう。

一緒にいた家族も「このコマーシャル、長いね」と言っていたので、この感覚は私だけのものではないようです。


★話が長い人が多い


一方で、皆さんの職場の朝礼でスピーチをする人は、どれくらいの時間、話しているでしょうか。

私の経験では5分~7分くらい話している場合が多いと思います。

では、皆さんは、その5分以上のスピーチを集中して聞けたでしょうか。

また、その話に感銘を受けたでしょうか。

残念ながら、答えは「ノー」という人が多いと思います。

それは、朝礼で5分も話されると、聞いている人は長いと感じて集中力を失ってしまいます。

話は長ければ長いほど真剣に聞いている人は少なくなっていきます。

つまり、長い話は相手に伝わらないのです。

 

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、「話は人の時間を奪って聞いてもらっているのだからできるだけ短くすべき」と伝えています。

そして、短く話すためには、事前に話すことを整理しておくことが必要だと伝えています。

では、どのように整理しておけばよいのでしょうか。

幾つかポイントがありますが、ここでは2つご紹介します。

 

★言いたいことを明確に意識する


1つ目は、言いたいことを明確に意識することです。

一般に、話が長い人は自分が何を言いたいのか、はっきりさせないまま話し始めることがとても多いです。

例えば、上司に仕事の報告をする場合、このような話し方をする人をよく見かけます。

「先ほど、P社を訪問してきました。いつも対応してくれる係長が外出中だったので、代わりに課長が対応してくれました。課長にお話しするのは初めてですし、かなり頑固そうな人だったので緊張してしまいました。まぁ、とりあえず、新しい提案はしてきたんですが。ん~、何だかまだまだ自分の説明は下手だなぁ、と実感しました。~」

こんな話し方では、上司は何が言いたいのか分からずイライラするでしょうし、本人も話しているうちに(え~と、あれ? 何を言いたかったんだっけ?)と戸惑ってしまうでしょう。

  • P社に新たな提案を行ったところ、競合他社との機能比較を求められた

  • 競争力を高めるために製品の品質向上が必要

  • コスト削減策も検討すべき


このように、話す前に言いたいことをハッキリと意識しましょう。

そして、その言いたいことに関することだけ話すようにしましょう。


★言いたいことを1つに絞る


2つ目は、言いたいことを1つに絞って話すことです。

話す前に「アレも話そう。コレも話そう」と、言いたいことを4つも5つも考えて、それらを一度に話そうとする人がいます。

また、話している最中に頭に浮かんできたことを、そのまま次々に話してしまう人もいます。

残念ながら、そういう話し方では相手には聞いてもらえません。

 

言いたいことを一度に幾つも話すと、聞いている人は混乱してしまいます。

話を理解する際、聞いている人は(ああ、要はこの人は〇〇ということが言いたいんだな)と、聞いていることを短い言葉でまとめようとします。

一度に幾つもの話をされると、頭の中でこのまとめる作業ができず、(この人は何が言いたいんだろう?)ということになってしまいます。

なので、話す際は、言いたいことを1つに絞って話しましょう。

 

例えば、上述の上司への報告を、次のように一気に報告したのでは上司は話を理解できません。

昨日、P社を訪問して先方に新たな提案を行ったところ、競合他社との機能比較を求められました。我々としては競争力を高めるために製品の品質向上が必要かもしれません。また、コスト削減策も考えねばなりません。

なので、こうした報告をする場合、言いたいこと3つを一つずつ話すようにしましょう。

  • P社に新たな提案を行ったところ、競合他社との機能比較を求められた

  • 競争力を高めるために製品の品質向上が必要

  • コスト削減策も検討すべき


まず1つ目のことについて、いつ訪問したのか、相手の反応はどのようなものだったのか、などを話をします。

その後、上司から質問や確認を受けてから、2つ目について、なぜそう考えたのか、実現できそうなのか、などを加えながら話します。

3つ目も同じ要領で話します。

この話し方であれば、話が長いと思われないで済みますし、あなただけ一方的に話すことも避けられます。


★話し方のトレーニングを受けてみませんか?


今回は、話しを短くするポイントを2つお伝えしました。

しかし、話が長い人はそれが長年の習慣になっているので、なかなか自分だけで改善することは困難です。

日本話し方センターのベーシックコースでは、講師が受講生一人ひとりの状況に応じてステップ・バイ・ステップで短くて分かりやすい話ができるように個別にご指導しています。

その効果は数多くの受講生が実感されています。

ぜひ受講者の声を確認の上、ご受講ください!
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